今回は組込みソフトウェア評価用の自動試験器の開発事例をご紹介します。
入出力にスイッチやランプを接続し、人手で操作・目視確認をすることで行っていた組込みソフトウェアのデバッグ作業を自動化し、デバッグ時間を短縮させる事を目的としたツールです。
このツールによりデバッグが省力化・効率化され、作業時間を短縮することができます。
PCとUSBで接続された万能測定器(AnalogDiscovery2、DigitalDiscovery)とレベル変換器の組合せを用いて、開発対象装置に対して模擬入出力の自動制御を行います。
※レベル変換は汎用試験器のデジタル入出力(3.3V)、アナログ出力(±5V)を開発対象装置に合わせて入出力レベルを変換するためのものです。 開発対象装置毎に別途用意します。
開発対象装置からの出力値に応じて、予め指定した値を開発対象装置に対して自動応答させることができます。
自動応答を実現することにより試験者による模擬入力操作の拘束時間を低減させます。
また、自動試験中は試験者が不要のため、夜間等のデバッグが可能になります。
これにより、試験日数の短縮が可能です。
100回試験をした場合、
試験者の拘束時間を10回×100分=1000分≒16.7時間削減できます。
ソフトウェア評価時にはデバッガ用のPC,開発対象装置(基板)及び模擬入出力となるスイッチやランプ等が机の上に並びます。
其々を操作する必要があり、人の前面にそれらが乱雑に並ぶことになります。
模擬入出力をPC画面内に納めることによりPC及び開発対象装置のみが前面に並ぶことになり、環境が整理されます。
全ての入出力信号がPCに取込まれるので、解析を行いやすい形に加工したログを記録できます。
人手での入力が不要のため、誤記入が防止できます。 また、これにより試験者が解析に要する工数を削減できます。
24時間監視となるデバッグの場合、試験者が常時監視するのは不可能です。
そのため、データーロガーを使い適当なサンプリングで波形を記録したとしても、記録したデータが膨大になるため、解析が容易では無いです。
(1秒毎に信号をロギングした場合、24時間で86400行のログとなります。
汎用試験機の場合、データ記録時に変化の無い場合に、まとめた形で記録する様プログラミングすることで、解析時間を短縮できます。)
開発完了直前の仕様変更、又は、開発完了後の派生開発等では、基本機能が変更後でも正常に働くことを確認する必要があります。 基本機能の確認を自動試験化することで試験工数の削減や試験品質の安定化が期待できます。
10分×100回=1000分≒16.7時間を自動試験にて対応することが可能になります。
装置構成は以下の通りです。
次回は、入出力を監視・制御するPCソフトについて紹介します。
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